ワークライフバランスを実現させるためには(既に述べたように)、モノやお金以外に価値を見出す唯物主義に埋没しない生活態度や、自分の利便性を過度に求めてしまう利己的な欲望や行動に歯止めをかけることが大切です。
とはいえ「一度手に入れた利便性を手放す」ということは簡単に出来ることではありません。また企業が社会や顧客の多様なニーズに応え便利なサービスを開発・提供すること自体は好ましいことですから、その流れを押しとどめるべきでもありません。
大切なことは、「お金を払っているのだから顧客(である私)の要求に応えるのは当然だ」という意識をエスカレートさせ相手を追い込むことを慎む、またそのような発言や行動を一定の範囲に留めるよう皆が意識し度を越さないようにするということです。(本サイトHOME4〜9参照)
しかし、このような意識や行動が直ちに取れるようになるかというと、容易なことではありません。つまり競争やイノベーションを是としつつ人間らしさも確保するという生活の実現には時間がかかる。我々の世代だけで実現させるのではなく、子や孫という“未来の世代”を巻き込んで取り組むべき課題ではないでしょうか。
では、親として何が出来るのでしょうか。
【自分を冷静に見る】
【子供と話し合う】
【自身の思考を深める】
【子供ともう一度話し合う】
■自分や他人のワークライフバランスを良くするために今出来ることはないか、子供と話してみる。
■「将来どんな人になって欲しいか」「どんな大人になりたいか」を子供と話してみる。
難しく考える必要はありません。肩の力を抜いて子供と話し合ってみましょう。
個人の生活は他人からの影響を受けながら営まれます。自分のワークライフバランスを守るために自分の外を変えようとすることも良いですが、まず自分を変えてそれを起点に相手を変える。そこを起点にワークライフバランス実現させていくいうアプローチもあります。
世の中というのは個々人の意識や行動の集合体です。消費社会と人間らしい生活を両立させる際の避けられないトレードオフを直視し、「何をあきらめ、何をとるのか」を自分の生き方として確立させ、それがぶれないように自分を律する努力をし続けることが、理想を生み出す第一歩になるのではないでしょうか。
なによりも行動が大切です。行動無き人はお金や昇進を巡る競争にも、精神的に豊かな生活を送るための自分との戦いにも勝てません。
まずは自分が納得出来る事実を自分の中で作り出し、それを自分や子供に身をもって示すことが必要なのではないでしょうか。